新居に引越しをしたら、それを周りにお知らせするのに必要な挨拶状。あなたは、適切な時期にちゃんと送れていますか?そんな引越しの挨拶状について、その送り先やタイミング、書き方などを詳しく紹介します。
挨拶状ってなに?
引越しした際に、マナーとして必要なのが、挨拶状です。以前の住居で親しい付き合いのあった人やお中元・お歳暮などのやりとりがあった人などに、引越したことを伝えるためのものです。
上司や先輩、同僚や後輩など、お世話になっていたり、暑中見舞いや年賀状のやりとりをしていたりする人にも、必ず送るようにしましょう。仲の良い友達や親族にも、メールだけでなくハガキの挨拶状を送ることをおすすめします。
挨拶状で新しい住所を相手に伝えることによって、お互いに気持ち良く今後の関係をスタートできます。
挨拶状を送るタイミング
挨拶状を送るタイミングとして理想的なのは、引越しをして1ヶ月以内です。この頃には、引越し後の片づけなどもだいぶ落ち着いてきているでしょう。しかし、片づけや家具の配置、買い出しなどに忙しく、なかなか挨拶状を作成する時間を見つけることは難しい場合もあります。
そのような時は、引越しをして3ヶ月以内、あるいは最低でも半年以内には送るように心がけてください。それ以上遅くなると、相手に良い印象を与えません。
なるべく理想的なタイミングで送るためにも、住所や電話番号が決まった時点で、引越し前に事前に挨拶状を印刷しておくのがおすすめです。また、費用はかかりますが、写真屋では挨拶状を印刷してくれるサービスもあります。
最近はインターネットでも、たくさんの種類から選んだ挨拶状を印刷し、自宅や相手先へ直接郵送してくれる便利なサービスがあるので、活用するのも良いでしょう。もしも引越しの時期がお盆前なら「暑中見舞い」、年末近くなら「年賀状」と一緒にまとめて挨拶状を作成するのも、手間を省く方法の1つです。
挨拶状の書き方と例文
それでは、挨拶状の書き方と例文について紹介します。一般的に挨拶状は、始めに季節に合わせた時候の挨拶をしてから、引越しの報告をします。その引越しの報告に関しては、目上の人や親しい人など、相手によって書き方が変わってくるので、例文を見ながら、注意して進めていきましょう。
送る相手によって文章を変える方が、受け取った相手も気持ちよく読めます。どちらも失礼にならない言い回しや言葉遣いは必要ですが、親族や友人に対しては少しフレンドリーな文章で、目上の方への挨拶状は丁寧な言葉で、できるだけ失礼のないように気をつけてください。
時候の挨拶例
挨拶状を書く際、マナーとして文頭に必要となってくるのが、時候の挨拶です。使う機会はそう頻繁にないので、なかには知らない人もいるでしょう。ここでは、1月〜12月までの時候の挨拶の例で、いくつか分かりやすいものをピックアップしてみました。ぜひ参考にしてみてください。
1月
「厳寒の候、初春の折」「初春の光さやけく、星も凍るような寒い夜」
2月
「立春の候、紅梅の折」「暦の上に春は立ちながら、春の陽気が待ち遠しい今日この頃」
3月
「早春の候、初春の折」「春の彼岸の頃、日増しに暖かくなり」
4月
「春風の候、陽春の折」「桜の花も美しく咲きそろい、春の日差しも心地よく」
5月
「新緑の候、晩春の折」「若葉の緑が目にしみる季節、初夏の風もさわやかな今日この頃」
6月
「梅雨の候、初夏の折」「初夏の風に肌も汗ばむ頃、梅雨明け待ち遠しい今日この頃」
7月
「盛夏の候、猛暑の折」「涼風肌に心地よく、うだるような暑さが続いておりますが」
8月
「立秋の候、残暑の折」「降るような蝉しぐれ、暦の上では秋ですが」
9月
「初秋の候、清涼の折」「残暑去り難く、秋風が心地よい時節となりました」
10月
「秋涼の候、紅葉の折」「清涼の秋気身にしみて、小春日和のうららかな季節」
11月
「晩秋の候、立冬の折」「落ち葉散りしく時節、秋も一段と深まり」
12月
「師走の候、厳寒の折」「寒気いよいよ厳しく、年の瀬も押し迫ってまいりました」
目上の相手に書く場合
会社の上司や先輩、学生時代の先生など、自分より目上の人に挨拶状を送る場合は、新居の環境なども加えると相手に伝わりやすく、ただの形式的な挨拶状にならず、相手に好印象を与えます。
では、例文を見ていきましょう。
拝啓
初春の候、益々ご健勝のことと存じます。さて、この度良い物件と巡り合うことができ下記へと転居致しました。自然に恵まれ、建物も部屋も住み心地が良さそうです。
近くにお越しの際は、ささやかな住まいではありますがぜひお立ち寄り下さい。
今後とも、変わらぬご指導の程よろしくお願い申し上げます。
敬具
新住所 電話番号 名前
親しい相手に書く場合
親族や友人、学生時代の後輩、会社の同僚などに挨拶状を送る際は、伝えたいことを簡単にまとめて、長々した文章にならないように気をつけてください。目上の人への挨拶状のような、かしこまった堅苦しい表現をする必要はありません。
では、例文をチェックしましょう。
拝啓
新緑の候 益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。私たちはこの度 下記へ転居致しましたのでお知らせ致します。今後も変わらぬお付き合いを頂けますようよろしくお願いします。
お近くにお越しの際は 是非お気軽にお立ち寄りください。
敬具
新住所 電話番号 名前
引越しは、人生のなかでそう何度も経験するものではありません。そのため、いざ引越しをしても、挨拶状を送る相手やタイミングなどが分からないという人も多いかもしれません。ここで紹介したことを参考に、スムーズに新生活のスタートを切りましょう。