「おひとり様移住」でのんびり田舎暮らしPart.1

「おひとりさま移住」って聞いたことありますか?

「移住」や「田舎暮らし」と言うと、「子どもをのびのびと育てたくて」とか、「定年退職後に妻と二人で」とか、ファミリー層のイメージが強いかもしれませんが、実は最近、そうでもないんです。

結婚もしてない。家族も持っていない。そんな人が田舎で理想的な暮らしを手に入れることが可能になってきています。

おひとりさま移住とは

人口が都市部へと集中し、過密化した都市。通勤地獄は当たり前。お休みの日にのんびりときれいな景色を眺めながら自然の中を散策しようなんて思ったら、いったいどこまで行けばいいの?という都市暮らしに「疲れた」という人が増えています。

そんな人たちが注目しているのが、ひとりで始める田舎暮らしです。

「元々実家が田舎にあるならともかく、都会生まれの都会育ちで田舎に親戚もいない人もそんなこと本当にできるの?」と思うかもしれませんが、やる気と正しい知識を持ち、ちゃんとしたステップを踏めば、憧れのナチュラルライフを満喫できるかもしれません。

まずはリサーチから

とは言え、ただやみくもに田舎に家探しなんかに行っちゃだめですよ。

まず、自分がどんな場所に住みたいか、いえ、それより先にどこなら自分が住めそうかを探さなければいけません。

NPOを利用しよう

今は各自治体とコンビを組んだ移住促進のためのNPOがたくさんあります。

中にはすでに何十人の移住を手伝ったという老舗NPOもあれば、ほとんど機能していないようなNPOもありますが、引越しの時に一社一社引越し会社をあたるよりも一括見積もりサイトで一挙に探したほうがはるかに効率がいいように、全国の移住の様子がわかるNPOもあります。

たとえば有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」には全国の自治体の資料がありますし、相談員が様々な相談にのってくれたり、おすすめの場所を教えてくれたりするので、まずはこのあたりからぷらっと軽い気持ちで行ってみるのがおすすめです。

遠くて行けないという人でも、ホームページを見るだけで移住についていろいろと知ることができて、おひとりさま移住の概要が大づかみにわかりますよ。

現地の頼れる人に頼ろう

移住候補地が決まったら、まずその地域の役所に連絡を取りましょう。移住者を積極的に受け入れている自治体なら、移住促進活動をしているNPOなどを紹介してくれると思うので、そこにも連絡をとりましょう。

誰も知り合いのいない場所に一人で行くのですから、行く前も、そして行った後も彼らの助けは欠かせません。

メールや電話で連絡を取ると、「まずは2〜3日体験で来てみませんか?」という流れになると思います。その際も移住候補者用の安く泊まれる宿を紹介してくれたりするかもしれません。

現地に行ってみよう

いよいよ現地訪問です。NPOに行けば仕事のことや家のこと、費用のことなど様々な相談に乗ってくれるでしょう。また、お願いすれば先輩移住者を紹介してもらえるので、移住にまつわる貴重な体験談を聞くこともできます。

何日かを現地で過ごし、現地の人たちから話を聞いている間に自分が将来ここでどんな生活をするのか、おぼろげながら見えてくるかもしれません。でも、ここで「さあ移住だ!」と焦ってはいけません。まだまだクリアすべきハードルはたくさんあります。

おひとりさま移住に必要なのは安定収入

都会から田舎に引越してそこで暮らそうという場合、何よりも一番最初にしっかり固めておかなければいけないことがあります。それは、この先の安定収入の見通しです。

「のんびり畑でもやって、自給自足でなんとかなるさ」これ、一番失敗するパターンですからね。

収入を固めよう

田舎に行けばなにか仕事はあると思うのは間違いです。あるかもしれませんが、それはあなたの健康的な生活を維持するだけの収入にならないかもしれません。

住む家などはどうにでもなります。行く前に安定収入のめどだけは必ず立てておきましょう。

  • 都会に家を持っていて、それを貸しに出して家賃収入が見込める
  • 金融資産があり、配当で食べていける
  • 誰かが生活費の面倒を見てくれる
  • 一生使い切れないくらいのお金をもう持っている

これらの条件に当てはまるのは、相当ラッキーな人です。普通の人はそうはいかないので、次の3つの手のどれかを考えることになります。

行く前に現地で仕事を探す

これもNPOに頼るといい話を紹介してもらえるかもしれません。また、ハローワークでも移住促進のため、移住者向けの仕事がある可能性が高いです。

ハローワークなら全国どこからでもネットで検索できるので、自分がこれから移住しようと思っている場所ではどんな職種が募集されているのかとか、賃金はいくらくらいかということが少しは想像できるので、移住先での生活プランが作りやすいかもしれません。

ただこれは、「事前に聞いていた話と全然違う」など、トラブルの話もよく聞きます。実際にある程度の期間住んで働いてみないと本当のところはわからないので、リスクがある方法ではありますね。

現地で自分で起業する

最近は自治体が積極的に小規模な移住者や企業を優遇する制度を独自に持っているところが多いようです。ただ、当然のことながら起業は金銭的にも労力的にも大変です。

失敗してやめるとなったらもっと大変です。せっかく気に入っても、その地から離れることになる可能性も高くなります。

最悪離れることになったとして、すでに土地や建物を購入してしまったらそれを売却し、始末するのは至難の技ですよ。二束三文で買い叩かれるのはまだいいほうで、買い手が全く現れない可能性も高く、「残ったのは借金と住みもしない土地だけ」という笑えない結果になってしまった人もたくさんいます。

以上の理由でいきなり起業というのはあまり現実的とは言えません。移住して何年か住んでみて、ネットワークができてからでもいいのではないでしょうか。

都会の仕事を継続する

実はこれが一番おすすめの方法です。「都会に住んでないのにどうして都会の仕事が続けられるの?」と思うかもしれませんが、できるんです。

ネットと電話があればなんとかなる仕事であれば、高い家賃を払い、ストレス満載の通勤地獄をくぐり抜ける必要はありません。

有名なのが徳島県の神山町です。かつては限界集落と呼ばれ、深刻な高齢化と過疎化で存続すら危ぶまれていた町ですが、今ではここには全国から最先端のIT企業がサテライトオフィスを構え、ミニミニシリコンバレーのようです。

国の補助金など220億円を使って10年がかりで全ての集落に光ファイバーを整備したおかげで、IT産業に従事する人を中心に人が入ってくるようになりましたが、IT化が進んだ自治体はここだけではありません。

神山町の成功を見て多くの市町村がIT化を急いでいるため、東京や大阪と結んでネットで会議をすることだって十分可能です。

ちょっと歩くと茅葺屋根の昔ながらの農家があるような地方の村に、実は全国でも屈指のブロードバンド環境があり、村の中どこでもwi-fiはつなぎ放題。ノマドをするのでも、爽やかな風に吹かれながら木陰や縁側で、なんていう生活だって夢ではありません。

環境のいい田舎で気持よく暮らしたいと思っても、一人でそこに行き着くにはいくつものクリアすべきハードルがあります。「都会の仕事に疲れたから田舎でのんびり仕事をしたい」なんていうのは甘い夢です。

新たに田舎で仕事をみつけて生活していこうと思ったら肉体的、精神的に都会よりもきつくなるかもしれません。でも、一度しかない人生です。しっかりとプランを建てておひとりさま移住にチャレンジしてみませんか。