「おひとり様移住」でのんびり田舎暮らしPart.2

家族と一緒ではなく、自分自身の人生をより充実させるために、敢えて都会から田舎に生活拠点を移す「おひとりさま移住」が今注目されています。

地デジ化にともなって過疎地と言われるような場所にも光ファイバーが整備されたことを受けて、ネットを活用して田舎で稼ぐという新しい就業形態ができてきたため、収入のめどさえつけば一人で田舎暮らしを始めることは可能です。

おひとりさま移住に必要なもの

まず、安定収入を得られる仕事を一番最初に確保すべきです。それができたら、次はどこに住むかを決めなければいけません。

おひとりさま移住の家の借り方

都会で家を借りるときにはどうしますか?まず十人いたら十人が「不動産屋に行く」と答えるでしょう。でも、おひとりさま移住なら、もっとお得な方法があるかもしれません。

「空き家バンク」を利用しよう

空き家バンクとは、一般の不動産屋と違って空き家を持っている地元の人と、それを借りたい人を自治体やNPO、社団法人などがマッチングするもので、広島県尾道市が有名ですが、今は多くの自治体にあります。

あなたが移住したいと思った自治体に問い合わせれば、あれば紹介してもらえますし、JOIN(ニッポン移住・交流ナビ)でネット検索もできます。

当然、プロの不動産屋の手が入っているものばかりではないので、すぐ住めるような家から数十万円程度のリフォームが必要なものまで、物件はいろいろです。

地元の人に直接借りることも

まずそこに移住してみて、後から好みの物件を探すという手もあります。中には「今は誰も住んでいないけど思い出が詰まった家だから」「荷物が置いてあるから」「他人を入れたくないから」などの理由で空き家バンクに登録したり、家を貸したりするのを渋っている人もいます。

そういう人と知り合いになって信用されるようになったら「あなたなら住んでいいよ」と貸してくれたり、あるいは地元の人と知り合いになって「ああ、○○さんのお母さんの家、今空いてたんじゃないかな。ちょっと聞いてみてあげる」などと紹介してもらうケースって意外と多いんです。

家は誰も住んでいないとすぐに傷みますから、空き家を持っている人もできれば信頼できる人に住んでほしいというのは本音です。中には「仏壇があるから毎日お水とお線香をあげてね」という条件で無料同然で借りている人もいます。

まったく見ず知らずのご先祖様に毎朝手を合わせてご挨拶をするなんていうことも楽しめちゃう心の余裕がおひとりさま移住を成功させます。

ただ、普通の不動産屋を介した賃貸で、管理会社が入っているような場合とは根本的に考え方が違うので、修理修繕の費用の問題や、置いてある家具をどこまで使っていいかなど、ケースバイケースで対応していく人間力と、ちょっとしたタイルの補修くらいなら自分でやるくらいのDIY経験がないときついかもしれません。

おひとりさま移住の注意点

これは一人でも家族と一緒でも同じなのですが、人間としてのマナーと礼儀はきちんと守ることは大前提です。その上でちょっとやそっとのことでは崩れない生活基盤を築くためにはいくつかの注意点があります。

人付き合いに頑張りすぎない

「誰も知らないところに引越してきたんだから、早く仲間に入らなきゃ」と最初から頑張りすぎてあっちにもこっちにも顔を出す人がいますが、意外とこれはうざがられたり不審がられたりして逆効果です。

これはどこでも同じですが、引越したばかりでは人間関係もよくわかりませんよね。場所によっては「○○さんの友達だったら××さんの家とは距離をおいているはず」とか、よそからきた人間にはよくわからない暗黙の人付き合いルールがあるところもあります。

いきなりこういうことに巻き込まれてしまうと、最悪の場合、人間関係から居づらくなってしまうなんてことだってあるのです。

最初は「誘ってもらったら行く」くらいの気持ちでゆったりのんびり構えていましょう。あなたが「ちゃんとした人だ」と認識されたら、友達は後からいくらでもできます。

帰る場所は残しておく

さあ、おひとりさま移住だ!と張り切る気持ちはわかりますが、人生何が起きるかわかりません。継続できると思っていた仕事が継続できなくなったり、人間関係がうまくいかなくなったり、そこに住み続けることが難しくなることだってあります。

そうなってしまった時にそれまで住んでいた場所と完全に縁を切ってしまうと、行く場所がなくなってしまいます。

いつでも帰れる実家があればいいのですが、たとえば東京から地方に移住する場合、完全にここでやっていけるという生活基盤を築くまでは東京の拠点を完全に引き払わないほうがいいかもしれません。

家賃の二重払いが経済的にきついのなら、風呂無しの激安物件を借りておくというのも手です。

こういう人はおひとりさま移住に向いてない

実際に移住してみると現実はなかなか厳しく「やっぱり帰ってきた」という人は正直なことを言えばとても多いです。「今の生活から逃げたいから」というマイナス思考だけで軽く考えて移住してしまうのは失敗の元です。

自分の物差しを変えられない

都会では特に賃貸生活をしていると、人と人との関わりが年々薄くなってきて「タッパーウェアに入った何かをもらったら、自分も何か同程度のものを入れて返す」など、昔は当たり前とされていたマナーを知らない人も増えています。でも田舎もそうとは限りません。

あなたは夜9時なんてまだまだ早い、活動時間だと思っているかもしれませんが、9時は深夜だと感じている人だっています。

自分の家には自分が不在のときは誰も入って来ないものだというのが都会の常識ですが、外出から帰ってきたら台所に採れたてのきゅうりとトマトが置いてあった、なんていうことも頻繁にあります。

休みの日にはゆっくり朝寝をしたいと思うかもしれませんが、コミュニティ付き合いが濃厚な漁村部などでは、婦人会の出し物で使うティッシュペーパーの花作りに駆り出されたりもします。

「郷に入っては郷に従え」の気持ちで、「ああ、ここではこういうことなんだな」と発見を楽しむくらいの気持ちで合わせられる柔軟性がないとうまくやっていくのは難しいでしょう。

運転が苦手

実はこれはとても重要です。都会なら公共交通機関が発達しているので運転の必要はないかもしれませんが、田舎では車は必須です。

しかも急坂や狭い道、せり出した石など、障害がゴマンとあります。そんなところを毎日のように運転しなければどこにも行けません。

虫が苦手

都会では見たこともないような虫が普通に家の中に入ってきます。「虫が苦手でゴキブリも殺せなくて〜」という人はあまり向いてないですね。

自然が豊かということは、そこに住む生物のバリエーションも豊かということです。

まとめ〜いいことばかりじゃないけれど

都会生まれ、都会育ちの人には「田舎暮らし」はとてもロマンのある言葉に聞こえるでしょう。

確かにこれまで見たことがない数の星を夜空に発見した時や、庭を蛍が通り抜けて行った時など、心から「来てよかったなあ」と思うのですが、反対に「浄化槽の手入れ法」とか「家に入ってくるムカデの撃退法」など、知らなければいけないこともたくさんあります。

毎日の発見や変化を楽しめる人なら、きっと素晴らしいナチュラルライフを手に入れられと思いますよ。