荷物が見つからない!紛失してしまったらあきらめるしかないの?

引越しでよくあるトラブルの一つが荷物の紛失です。何か失くなっても荷物の一つひとつに配送伝票がついているわけではないので追跡もできません。そのため失くなったこと自体を証明するのは困難です。

なぜ失くなってしまうのか?

引越しなんて人生にそうそう何度もあるものではありませんよね。だから引越し時に荷物が失くなった経験がある人はそんなにいないかもしれませんが、実は紛失は珍しいことではありません。

積み忘れ

荷物の搬出や搬入の最中にどこかに忘れてきてしまうことがあります。そしてその場所は引越し元や引越し先の家とは限りません。

引越しトラックの周囲や引越し作業員が通る通路の途中、マンションの非常階段、踊り場などにも盲点があります。

複数の作業員が出入りするので、現場監督も引越しをする本人も荷物の動きを把握しきれないことが原因です。

トラックから荷物が出されてしまう

トラックに積みこんだまま引越し先へと移動する場合には、途中で紛失することはまずありません。ところが、トラックの荷台から荷物をおろす次の2つの場面では紛失が起こるかもしれません。

不用品回収に紛れてしまう

不用品として回収してきた家具やダンボールを下ろす際に、それらと一緒にトラックから出てしまうことが考えられます。

特に無記名かつ業者共通のダンボールを使用している場合は要注意です。不用品に紛れてしまったら、廃棄物処理業者の元に行くか、捨てられてしまうでしょう。

別のトラックに積みかえる

単身者用の引越しや仮住まい中の家財保管では、荷物は一旦営業所や倉庫におろします。そこでの作業中に、別の家庭の荷物と混ざってしまうことがあります。

引越し業者のダンボールを使うと、どの荷物も見分けがつかないことが大きな原因の1つです。また組み立て家具の部品の一部が落下して、どこから出てきたのかわからない不明品となって残ることもあります。

最も多い不明品は収納家具などのキャスターです。途中で抜けて落ちないよう、テープで留めましょう。

盗難にあう

引越しの間、荷物は不特定多数の人々の目に触れる場所にあります。トラックに作業員が常駐しているとは限りません。

また作業員が荷台の奥で、積み込みに集中している時も窃盗の被害にあう可能性はゼロではないと思ってください。

紛失を防ぐには

引越しするにあたって、紛失事故が起こる可能性を激減させることができます。手間はかかりますが、業者に任せきりにせず、自分が引越しの当事者としてできる限りのことしましょう。

写真を撮って記録する

ダンボールの紛失は通し番号と目印をつけることで防止することができます。引越しの際には業者から提供を受けたダンボールを使うと思いますが、それだと外観が全て同じであるというデメリットがあります。

だからこそ自分の荷物であることがわかる目印を書きこんでおくのです。また通し番号を書けば、欠番に早めに気づき、紛失を未然に防ぐことができます。
さらにダンボールの外側と中に入れる荷物の写真を撮って、記録しましょう。これに限らず、作業過程の写真は万が一の時の証拠として使えるので、部屋の様子や荷台の積みつけ状況も記録しておきたいですね。

現場でも確認する

まずは状況を把握して確認を怠らないことが大切です。どのトラックにどの荷物が積み込まれたか、またどこにトラックが停まっているかなどを把握するようにしましょう。

自分の荷物ですから遠慮せずに、不明なことは作業中でもたずねましょう。通し番号をふったダンボールは順番に積むほど細かく指示しなくても大丈夫です。

10個単位または2、30個単位でひとかたまりにして移動や積みつけをお願いすると、見落としや積み忘れを防ぐことができます。そして最終的には室内外に荷物の積み残しやおろし忘れがないことを自分で確認します。

引越しが終わったら紛失しているものがないか業者が帰る前に確認してから、サインをするようにしましょう。

契約書と約款を読む

万が一の時の補償の対象外の品目や免責事項を知っておくことも大切です。業者と交わした契約書はもちろんのこと、見積り書の記載事項、国土交通省が告示している「標準引越運送約款(以下、引越約款)」も適用されるので一読しておくと適切な対策を取ることができます。

たとえば、引越約款の第4条2項1号には、携帯できる貴重品は、引越し業者が受付を拒否できる旨の記述があります。

つまり宝石貴金属や通帳、有価証券といったような貴重品は業者側も「お客様がご自身で管理してください」というスタンスで免責事項として明示しています。

ということは万が一なくなっても補償を受けることができないということですから、あらかじめ管理方法を決めておいたほうがいいでしょう。

紛失してもあきらめずに補償を受ける方法

損害賠償を受けるには、引越し業者が注意を怠ったことを証明することが必要です。でも補償を受けることがまったくできないわけではありませんから、安心してください。

記録を活用する

通し番号をつけたダンボールや家具の写真は、紛失の原因が業者にあることを証明する材料として活用できます。

必要に応じて写真などの記録を提出して、業者側が紛失したことを証明します。この時、担当者の名前や回答期限をメモすることを忘れないでください。

注意すべき引越約款の規定

また引越約款の第8条にあるように、壊れやすいものとしてパソコンは申告しておくと記録が残ります。この記録も利用できるでしょう。

ただし、紛失したことを引越しの業者に伝えるのは3ヶ月以内でなければいけません。時効は荷物を受け取った日から1年とあるので、それまでに対応、支払い等を受けるようにします。

時には、業者に対応を促したりしなければならないケースもあるかもしれません。

まとめ

消費生活センターの統計によると、引越しに関する年間相談件数は平均2,000件ほど、その内、紛失についてが平均300件あると考えられます。

事業所がすぐに対応してくれなかったり、時効の1年が迫っている、対応に納得がいかない時には消費生活センターの力を借りると解決が早くなる場合があります。

まずは荷物に通し番号を振り、写真で記録する、自分の目で積み残しを確かめるなどできるだけの紛失防止策をした上で、それでも事故が起きてしまったら、早めに対処をしましょう。