10階から10階より1階から1階の方が安くなるってホント?

10階から10階への引越しより、1階から1階への引越しの方が安くなるってホント?物件を選んで引越しする際に、こんな疑問をもったことはありませんか?

答えは「本当」です。現在の住居でも、転居先の住居でも、荷物の搬出入に階段やエレベーターなどを使う場合、その分の追加料金がかかるからです。この理由について、詳しく見ていきましょう。

また、エレベーターを使う場合に注意することなどもあわせて紹介します。

10Fよりも1Fが安くなる理由

引越し業者によっては、エレベーターの使用を無料とするところもありますが、ほとんどの業者で追加料金が発生します。かかる費用は0円〜10万円以上と、特殊作業の有無や業者によって幅があります。

では、追加料金がかからず安くなるポイントはどこにあるのでしょうか。4つの理由を見ていきましょう。

理由1.階段もエレベーターも利用しない

見積書には現住所と転居先の住所を記入し、それぞれの欄に、家屋の状況を記入する欄があります。

そこには、エレベーターの有無を必ず記載するようになっています。

なぜなら、エレベーターの有無によって、作業効率が大きく異なるからです。

階段を何往復もしながら重い物を手で運ぶのと、エレベーターでまとめて運ぶのとでは、料金に差が出るのは当然ですよね。
ということは、階段もエレベーターも利用せずに、1階から搬出して1階に搬入する引越しが一番安いということになります。

理由2.特殊作業車を利用しない

高さがあったり幅が広かったりする大きな荷物は、階段やエレベーターの構造によっては運べないことがあります。

そのような時には、窓を外し間口を広くしてからクレーンで吊って搬入したり、昇降機を備えた高所作業車でベランダから搬入したりすることがあります。

5階以上だと、建設用重機やオペレーターが必要となり、費用も約10万円からと莫大になります。さらに、業者によっては対応不可の場合もあります。

その点、1階ならそのような特殊作業が発生しないため、追加料金の心配もありません。

理由3.養生資材が少なくて済む

アパートやマンションなどの集合住宅では、専有部分である住戸の他に、エントランスや階段、エレベーターなどの共用部分の手すりや壁を傷つけないように、前もってクッション性のある素材で覆うなどして、保護しなければなりません。

台車を使う際もシートを敷いて傷が付かないように気をつけます。これを養生といいます。

引越し業者で緩衝ボードやマット、シート、厚みのある布や毛布などを使い、養生テープやひもでずれないように止めます。これらの素材は使い回しがきくため、ほとんどが無料です。

ただし、高級新築マンションの引越しなどで大量に使う必要がある場合は、一軒分の資材では足りず、ほかの営業所やレンタル業者から調達しなければなりません。

その場合、資材リース費や広い範囲の養生作業代として、5,000円以上の実費がかかることがあります。

その点、1階の引越しなら最低限の資材で足りるので、ほとんどが無料になります。

理由4.短時間で済むので、作業員の増員が不要

引越し業者のトラックが道をふさぎ、ほかの車の通行を妨げるような場所に駐車した場合には、すぐに移動できるようにしておかなければなりません。

また、荷物の盗難にも注意を払う必要があります。階段でもエレベーターでも、階数が上がる分だけ時間はかかります。

エレベーターや階段作業で手間取り、なかなか運転手が戻って来られない状況だと、近隣に迷惑がかかります。

そのため、常にトラックや荷物を見張る作業員を増やす必要があります。作業員を増やすと、当然人件費も高くなります。

1階なら、外の様子が作業しながらでも分かるので、そのような心配はなく、余分な人件費もかかりません。

高い階層ほど値段が高いの?

階段は1階ごとに1,000円〜2,000円ずつかかります。荷物の量や階段の幅、構造により変動はありますが、全国相場は1,500円ほどでしょう。

エレベーターの場合は、1階ごとに500円から1,000円ずつ加算したり、一律の価格としたり、10階までは無料にしたりと、業者や物件の状況によってさまざまなケースがあるので、一概にいえません。

マンションの規模で判断し、世帯数の割にエレベーターの基数が少なかったり、エレベーターから部屋までが離れていたり、トラックの駐車位置からエレベーターホールまでが遠かったり、エレベーターが小型だったり、と種々の要件を加味して一軒ごとに決定しているようです。

では、エレベーターの有無で料金がどう変わるのか、具体的に見ていきましょう。

ここで注意が必要なのは、階段やエレベーターの階数。例えば5階までだと4階分の段数を上り下りすることになるなど、いずれの計算でも、対象となる階から1階マイナスする必要があります。

エレベーターなしの5階

階段1階分あたり1,500円と想定します。1,500円×(5-1)=6,000円

エレベーターありの5階

エレベーターで1階上がるごとに500円の加算と想定します。500円×(5-1)=2,000円

エレベーターありの10階

こちらもエレベーターで1階上がるごとに500円の加算と想定します。500円×(10-1)=4,500円

上記の料金例では、エレベーターなしの5階よりも、エレベーターありの10階の方が安くなります。

したがって、高い階だから必ずしも料金が高くなるということではなく、エレベーターの有無による価格差が大きいといえます。

エレベーターを使う場合の注意事項

エレベーターは居住している人みんなの共用物です。長時間専有するわけにもいかず、マナーを考えて利用しなければなりません。

管理会社などで独自のルールを決めているところもあります。

また、賃貸に比べて分譲の場合は住人の意識がまったく違います。共用部分でも荷物の運搬時に傷がつくなどすると物件の価値が下がるので、新築の分譲マンションだと特に気をつける必要があるでしょう。

エレベーターを使う場合、管理会社に要確認

現在住んでいるマンションのエレベーターの点検日や、修繕工事の作業日などは分かっていても、新居の方の日程は分からないことが多いもの。

引越しが決まったら、新居の管理会社に点検日や停電の予定、工事などで大型車の出入りの予定など、事前にスケジュールを確認すると良いでしょう。

不動産仲介会社から引越しに関する諸注意の説明はありましたか?エレベーター利用時のマナーや養生の徹底など、荷物搬入時の決まりごとがあるかもしれません。

また、管理会社の指示と現場のマンションの管理人の指示が異なり、当日になって混乱することもありますので、事前に確認するのが望ましいです。

ややこしい場合は書面で提示してもらい、引越し業者にも伝えましょう。

エレベーターに乗らないものがある場合

貨物用の大型エレベーターがあるマンションなら問題ありませんが、そうでない場合、分解できない大型家具や大きいサイズのベッドマットなど、エレベーターのサイズによっては入りきらないことがあります。

階段上げになって後日追加料金が発生しないとも限りません。心配な場合は事前に業者に相談し、階段上げ、手吊り、クレーンなどで追加料金があるかどうか確認しておきましょう。

その際、新居のエレベーターサイズと間取り図があれば万全です。

あまりに高層階の場合、莫大な費用がかかり、家具の価格との折り合いから搬入を断念しなければならない事態も起こりえます。その際、処分料も必要になってくるので、注意が必要です。

このように、エレベーターの有無、階数により、追加料金が発生することがあります。

引越し業者により料金設定が異なり、細かく料金表を設定しているところから、ほとんど言い値のところまでさまざまです。

でも、そこばかりを比較して安い業者に決める必要もありません。「木を見て森を見ず」ではありませんが、要は見積もり総額が一番重要だということです。