一人暮らしを始めるなら絶対にやらなければならないこと、それがお金の管理です。月々の家賃や光熱費に食費、そして貯蓄分など、実家にいる時には考えもしなかったようなお金の管理が必ず必要になります。
そんなのめんどくさいから適当でいいや、なんて言ってちゃダメですよ。大人としてきちんと自分の資産を把握し、管理するのは当たり前。簡単に、そしてラクにお金を管理するには8分割家計簿が一番です。
家計簿はざっくりでいい
お金を管理する時、最も便利なツールは家計簿です。でも、家計簿っていうとホームドラマでお母さんがスーパーのレシートをぺたぺたと貼りながら「今月も赤字だわ〜」なんてため息ついている、何やらめんどくさい感じのものと思っている人も多いかもしれません。
確かに毎日何にいくら使って、いくら残って、と書き込むのは面倒ですよね。最初は張り切って書き始めても、そのうちやめてしまう人が多いと思います。
だから、そんなことはしなくていいんです。毎日何を買ったかいちいち書きつけるなんて、時間と労力の無駄でしかありません。「じゃあ家計簿に何を書くの?」というあなたに今から説明します。
過去ではなく未来の家計簿をつけよう
家計簿をつけはじめるとき、必要なのは過去に何にお金を使ったのかではなく、これからの未来に何にお金を使うかという計画です。
一枚の紙を用意してください。真ん中に一本線を引き、線の左側にあなたの来月の収入と支出の予定を書き込みます。
これがあなたが一ヶ月に使える予算です。これまでただなんとなく漫然とお金を使ってきたという人は、過去の光熱費の領収書などを用意してくださいね。
家計簿を8分割する
真ん中に線を引いた一枚の紙に、今度は横に三本等間隔に線を引きます。紙は8分割されましたね。これが8分割家計簿の基本形です。ここにこれから書き込んでいきますよ。
収入はいくら?
まず必要なのが、あなたが来月手にするお金の総額です。普通に働いている人なら給料の手取り分、学生なら仕送り+バイト代になるでしょうか。これを左の一番下に書きます。
重要なものから書く
この8分割家計簿の特徴は、お金の使い道が重要なものから書いていくことです。左側の一番上には「絶対に必要で減らせない支出」の項目を書いていきます。
生活をする上で一番減らせないのは、家賃や光熱費、食費、そして貯蓄です。「貯蓄なんかする余裕はないよ」という人もいると思いますが、たとえ毎月500円ずつでも、「貯蓄をする」という生活習慣を身につけることは、将来絶対に役に立ちます。
苦しくても少額でも、毎月いくらかは貯蓄をすることを心がけましょう。
貯蓄の考え方として、毎月のやりくりの中で余ったお金を貯蓄するというものがありますが、これはまったくもって逆です。収入からまず貯蓄分を引いて、余った分を生活費にするのが健全です。
もしあなたが会社員で、会社にあらかじめ給与から天引きしてお金を貯める財形貯蓄の制度があるなら、これを利用してしまえばいやでも貯蓄できます。
ただし、学生で日本学生支援機構の有利子型の奨学金を受けている人は例外です。将来の返済でマネープランがめちゃくちゃになることを避けるために、貯蓄よりもなるべく借入額を少なくすることを心がけてください。
節約できるところは考えよう
左側の一番上に「絶対に必要で減らせない支出」を書いたら、その下には「必要だけど減らせる支出」を書いていきます。ここが節約の腕の見せ所です。
通信費を減らすには
たとえば通信費。大手キャリアのスマホを使っているなら、圧倒的に安い、他社のインフラを借り受けて、独自にサービスを提供しているスマホ事業者、MVNOに乗り換えるのも手です。
MVNOもさまざまなサービスがあり、主にデータ通信をメインにするのか、電話で通話することが多いのかによって選ぶべき業者も変わってきます。
もし、あなたがなるべく節約して通話したいと思うなら、無料で通話できるIP電話アプリを使うのもいいでしょう。また、音質がIP電話に比べて格段にいい「かけ放題プラン」も各社安い料金で出しています。
交際費を減らすには
楽しく友達とつきあうために交際費も必要です。交際費の節約のために友達を失うなんていうのは本末転倒です。でも、外にご飯を食べに行ったりお酒を飲んだりって気が付くとお金がかかりますよね。
そこで友達と食事をするなら、ホームパーティーにしましょう。外で食事をすると、ちょっとした居酒屋でも一人3,000円、4,000円とかかりますが、その半分の金額でも、誰かの家でホームパーティーをしてその材料費にすれば、豪華カニしゃぶ大会、なんてできるかもしれません。
節約にもなり、冷蔵庫の余り食材も一掃し、さらに料理も上手くなる。こんなおいしい話はないじゃありませんか。
おしゃれ費用も減らせる
ファッションにかけるお金はなるべく減らしたくないという人もいますが、本当に「おしゃれな人」はたくさん洋服を持っている人ではなく、本当に気に入ったものを上手に着回す人です。
あなたの周りの「あの人おしゃれに暮らしているなあ」という人を思い浮かべてみてください。多分、洋服の枚数はそんなに多くないはずです。
また、そういう人の家に行ってみると、雑貨などもごちゃごちゃしていなくて、本当に自分が気に入った厳選されたものだけに囲まれて暮らしているのではないでしょうか。
身につける服でもアクセサリーでも部屋のインテリアでも「これが私だ」と思うくらい自分にぴったり合ったものが出てくるまでは買ってはいけません。「まあこれでもいいか」と妥協して買ったものを身につけても、気分はあがりませんよ。本当に好きなものだけに触れるようにしていると、あなたのセンスもどんどん良くなっていくことでしょう。
近々欲しいものがあるのなら
さて、一番上に「絶対減らせない支出」、その下に「必要だけど減らせる支出」を書きました。三番目の欄には「近々欲しいもののために貯めておくお金」を書きます。
たとえば、新しいノートパソコンが欲しいとか一目惚れした靴が買いたいなど、月々の支出の中で買うにはちょっと金額が大きい物を買うためのお金です。もちろんこれは一番上の「絶対減らせない支出」に入っている貯蓄とは別ものです。そっちのお金に手をつけてはいけません。
たとえば「引越したいので引越し費用の40万円を貯めよう」「もうちょっと大きいサイズのテレビを買うために5万円欲しい」など、近い将来に欲しいものと金額があれば、月々の生活費を払った残りを、それを買うための資金に回せるということです。もちろんちょっとお金を使いすぎちゃったな、という月にはそのお金はないかもしれません。
実際に生活してみよう
さて、ざっくりと予算を立てたところで、実際にその予算に沿って一ヶ月生活してみましょう。今度は真ん中に引いた線の右側に実際に支出した額を書いていき、一ヶ月で使ったお金の合計を右の一番下に書き入れます。
左の一番下には収入が書いてありますよね。比べてください。どうですか?多分、予定通りにはいっていないでしょう。最初から思った通りに上手にやりくりできる人なんていませんからね。
「ああ、この予算が足りなかった」「ここはもうちょっと減らせるな」と、一ヶ月経ったところで自分の傾向や反省点が見えてくることでしょう。
まとめ
どうですか?8分割家計簿、簡単でしょう。毎日つける必要はありません。月の最初に予算を立て、月の終わりに自分の生活がどうだったかをチェックする。これだけです。
正しくお金を使える人間になるには、訓練が必要です。そのためには目先の計算ではなく、ざっくりと大づかみに自分が使えるお金と実際に使ったお金を把握する練習が一番なのです。