あなたのその収納、間違ってませんか?

スペースが限られたワンルームや1DKで暮らしていると、あまりの収納スペースの少なさに愕然としたという経験がある人も多いと思います。狭く収納の少ない部屋で気分よく暮らすためには持ち物をミニマルに抑えるか、あるいはなんとか収納場所を作りだすか、二つに一つの選択になります。

でも、無理やり収納場所を見つけて物を突っ込んだとしても、それって本当に暮らしやすい部屋になっていますか?

収納名人の暮らし下手

世の中には「収納名人は暮らし上手」と思っている人も多いようです。

確かに生活の動線を考えぬいて、必要な時に必要な物がさっと取り出せてまたすぐに戻せるような収納術を持っている人なら「暮らし上手」と呼んでもいいかもしれませんが、ただ「狭いスペースにたくさんの物を詰め込める」才能の持ち主というだけでは「暮らし上手」とは言えないかもしれません。

本末転倒な「収納名人」

家具と家具の間に10センチの隙間でもあろうものなら、そこに何かを収納しないではいられないという人がいます。

挙句の果てにはそこに何を収納しようか、収納する物を探し始めてしまうという段階になったら、もう立派な「暮らし下手」と言えるのではないでしょうか。ぎちぎちに物を詰め込んでもいいことはありません。

掃除ができない

暮らし上手な人の部屋は必要なことが最小限の労力と時間でできるように考えられています。だから毎日の掃除にかける時間は短くても、家の中はいつもきれいなのです。

10センチの隙間もないほどびっちりと物が詰まった部屋を掃除するのって大変だと思いませんか?
物がぎっしり詰まった家具は重くて動かすのも大変なので、つい後ろ側の掃除はおろそかになってしまいがちです。

それどころか家具の後ろのわずかなスペースに物を落としてしまったら、次の引越しまで取れないかもしれません。そんな部屋は当然通気も悪く、カビがはえて住人の健康に悪影響を及ぼす恐れさえありますよね。

いざという時さっと出せない

収納の本来の目的とはなんでしょう?重要なのは、「しまうこと」ではなく「出すこと」です。必要な時に必要な物がどこにあるかすぐにわかって、それをさっと取り出せるようにすること、これこそが収納なのです。

たとえばあなたが「お友達に手紙を書こう」と思ったら、便箋と封筒、それにのりと切手とペンが一箇所にまとまっていてすぐに取り出せるような収納が正しい収納です。

しかし、中には「出すこと」ではなく「しまうこと」に一生懸命になってしまう、間違った収納の方向に全速力で走ってしまう人もいます。

たとえば、「見た目にスッキリした部屋作り」にこだわるあまり、色や大きさをそろえた同じボックスにさまざまな物を収納して部屋の一箇所にまとめているという人がいました。

結果何が起きたかというと、どのボックスに何を収納したのかがわからなくなり、一日の中で探し物に費やす時間が飛躍的に増え、結局面倒臭くなって物は全て「出しっぱなし」になり、部屋は手のつけられない有様になってしまいました。

目指していた「モデルルームのようなスッキリ部屋」とは程遠い状態です。

なぜか収納グッズが増えていく

以前、どうしても部屋が片付けられないという人の家に行った時、100円ショップで売っているような物から人気の雑貨店の物まで山のような収納グッズと何冊もの「片付け法」の本が散らかっているのを見て、思わず頭を抱えてしまったことがあります。

雑然とただ積み重なっている収納グッズや片付けのノウハウ本があるということはその人は片付けようという意志もあり、汚い自分の部屋に嫌気がさしてもいるのに、それを実行し、継続するためのノウハウとプランがないのです。

参考書を買った段階でまだ1ページもやっていないのに勉強ができるような気になってしまう人と同じで、収納グッズを買った段階で安心してしまってその先に進めない人は多いものです。

もし思い当たるなら、その収納グッズは本当に必要なのか、その収納グッズに収納しようとしていた物は本当にそこにあるべき物なのか、もう一度考えてみたほうがよさそうです。

部屋で落ち着けない

本来自分の部屋は一番落ち着ける場所であるはずなのに、なぜか自室でリラックスできないという人の部屋に行ってみると、だいたい物で溢れています。

人間の脳は目から入った情報を意識するしないに限らず記憶したり分類したりといった作業を常に行っているのですが、たくさんの物がぎちぎちに詰め込まれた部屋はこの目から入ってくる情報の量が過多になるのです。これでは脳は休むことができません。

暮らし下手からの脱却

もし自分がなんでもかんでもぎちぎちに詰め込んでしまう「収納上手の暮らし下手」な人間だと思ったら、なんとかそこから脱却する方法を考えましょう。

シンプルライフを始めるために

物を詰め込んでしまう性分を直すには、物を減らす。これ以外ありません。しかし、捨てられない性格の人っていますよね。そういう人はまず考え方を変えてみましょう。

「場所の貧乏性」を治そう

少しでも隙間があったらそこに何かを入れないではいられないのは「場所の貧乏性」です。あなたは「これだけ隙間があったらあれも収納できる、これも収納できる」と思うかもしれません。「せっかく収納できるスペースがあるのに何も置かないなんてデッドスペースだ」と感じることもあるでしょう。

でも、無理やり使いにくい場所に物を突っ込んだところで、結局取り出しにくい物は使わなくなってしまいます。そうなったらその物自体がないのと同じ、死んでしまっているのです。死んだ物が突っ込まれている場所こそ、デッドスペースだとは思いませんか?

家賃換算してみよう

収納用のカラーボックスなどを置いてそこに物を詰め込んでしまう人は、だいたいでいいのでその収納用品が使っているスペースの家賃を計算してみましょう。

たとえば、6畳のワンルームで家賃が6万円だったとします。持っている収納用品の面積がだいたい0.5畳分だとしたら、あなたは毎月5,000円を物のための家賃として支払っていることになりますよね。

部屋の主であり主役であるのはあなたのはずなのに、本当に必要ではない物のために毎月家賃を払ってあげていると考えたら、断捨離も進むのではないでしょうか。

いらない物を見分けよう

流行遅れになったりサイズが合わなくなったりして着られなくなった服や、もう何年も読んでいない本、聞いていないCDなどは判断しやすいですが、あなたの部屋にあってあなたにとって最もいらない物とは、「存在すら忘れている物」です。

「いつか使うだろう」としまいこんだまま何年も使っていなければ、人はその存在すら忘れてしまうものです。特にぎちぎちに物を詰め込んでしまうと、入れたまま存在を忘れてただ部屋に「ある」状態になってしまっている物がどんどん増えているはずです。

この生活習慣をやめようと思ったら毎日一箇所ずつでいいので、「収納」してある物を全て出してみましょう。存在すら忘れていた物なら、別になくても困りません。

まとめ

持ち物を取り出しやすくして、暮らしやすくすることが本来の収納であるはずなのに、しまいこむこと自体が目的化してしまっている間違った「収納名人」にならないために、「今の自分に必要な物は何か」を常に自問自答しましょう。

基本的にお金を出せばまた手に入る物は捨てたところでダメージはほとんどありません。