予定時間になったのにまだ業者が来ない!?

長い人生の中で見ても、引越し回数は数回という人がほとんどだと思います。そんな数少ない引越しですから、どんなトラブルが起きたのか耳にする機会も少ないでしょう。

でも、知らないだけで意外と引越しにまつわるトラブルは頻繁に起きています。

まさか時間通りに来ない? そんなことあり得るの??

そのまさかは実際に起こり得ます。しかも、その頻度は稀ではありません。引越しする側としては、その日程に合わせて休暇を取ったり、家族に手伝いに来てもらったりなど、何とかやり繰りして引越しという一大イベントに備えているでしょう。

それなのに約束の時間に業者が訪れないとは、想像もしていないものだと思います。引越し作業を開始するはずの時間に、引越し業者のトラックが到着しない理由はいくつか考えられます。

予測不可能な道路の渋滞

引越しでは車両を使用するため、渋滞にはまってしまうと予定通りに運行できなくなってしまいます。

特に工事や事故による局所的な渋滞は、予測することができません。業者のスケジュール管理には、当日の交通状況が加味されていないことが多いのも実状です。

営業者と作業員の連絡ミス

道路渋滞など事情があって遅れるのであれば普通は「連絡くらいくるだろう」と、思うでしょう。でも、業者内の連絡ミスや営業所同士や従業員のつながりが薄いと、連絡すらもらえずひたすら長時間放置されてしまうこともあります。

大手の引越しサービスを利用した時に起こるトラブルは、連絡不行き届きによることが多いと考えられます。自宅に来て引越しの料金や日程の詳細を決めた営業担当者と、荷物を運んでくれる作業員は別の人です。

両者が同じ営業所に所属していればまだ良いほうですが、全く接点がなく、ただデータだけ送られてきて引越しの依頼を受けるだけという作業員もいます。

そこで一番恐いのは、準備して待っていたのに引越しの手配すらできていないことです。いくら怒ったところで業者側がトラックや人員が用意できていなければ、即対応してもらえません。

特に3月中旬から4月上旬にかけて、入学を控えた学生や就職が決まった新社会人が引越しをする繁忙期は要注意です。

繁忙期には依頼した日時が空いていなかったり、土曜日、日曜日や祝日が割高な料金設定になったり、素人同然のバイトがきたりなど、覚悟しておかなければならないデメリットがありますが、最悪なのが「引越しの手配すらされていない」というミスでしょう。

不慣れな作業員による作業の遅れ

引越し繁忙期には人手不足を補うために、多くのアルバイトを募集します。引越しのバイトは時給が良いこともあり、作業員が集まります。

また最近は日本人だけでなく、海外からの留学生も増えました。さらに社員の中でも普段は引越し作業に携わらない人が、臨時で作業員として働くこともあります。

ひどい場合は事務がメインの内勤者や宅配便の配達員が、アルバイトを連れて引越し作業にやって来ることも。そんな不慣れなチームでは当然作業は遅れを生じ、時間がおしてきます。

午前中1番目の運搬作業の終了が予定より遅れると、2番目以降は開始も終了もどんどん遅れてしまうでしょうね。

引越し業者が遅れた場合の対応は?

渋滞による遅れは、数十分くらいで済むことがほとんどです。しかし午後に引越しを予定していた場合には、2〜3時間も遅れたり、ひどい時には半日待って深夜近くから開始となることもあります。

小規模な引越し会社で車両トラブルが起こってしまった時など、引越しそのものを延期せざるを得ない可能性だってあります。こんな時、業者による補償はあるのでしょうか?

結論から言えば、引越しを予定していた当日に作業が始まれば、業者としては特に補償はしません。引越しに関する約款や契約書などには、遅延に関する免責事項を設けている場合もあります。

これは、国土交通省が告示している「標準引越約款」の第26条の規定により損害賠償の対象とならないと解釈されているからです。

でも、約束の日の深夜0時をまわって終了したのであれば、業者に請求すべき費用が発生する可能性も出てきます。

例えば、引越しする家も引越し先の家も電気・ガス・水道が通っておらず泊まれない状況になり、ホテルに一泊せざるを得なかった。そういう場合に、宿泊料を業者に請求すること自体は免責事項となっていません。

同様に引越しが延期になってしまって余計な費用が発生した場合には、業者と交渉して実費を負担してもらいましょう。

ある程度の遅延は予測して準備をしよう

繁忙期を中心に、引越し業者が遅刻をして引越しが遅れるということは稀ではありません。引越しの時は、これを頭の片隅に置いて事前にできることをしておけば少し安心です。

遅れた場合の対応については見積もりの段階で聞いておきましょう。担当者の連絡先は営業所やコールセンターだけでなく、現場に来るドライバーかリーダーのものまで聞いてください。

これで、当日の音信不通は避けられると思います。

何があるかわからないのが人生であり、引越しでもありますが、なるべく余裕を持ったスケジュールをあらかじめ組んでおくことで、最悪の事態は防げるのではないでしょうか。